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0219 やぶがらし



名前のとおり、薮をからしてしまうほど繁茂して覆ってしまう。
別名ビンボウカズラというブドウ科の植物であり、
このツル植物で覆われた樹木はやがて枯れて、家が貧乏になると言い伝われている。
山本周五郎の短編に「やぶからし」という武家ものの小説がある。
穏やかな名家にそだった息子は、小さい時から金で解決することを覚えてしまい、
自ら自重気味に親に寄生する「やぶからし」となってしまう。
酒と女に放蕩を重ねた息子が、何とか結婚を機に自力で立ちなおろうとするが、
初夜の晩に酒の力をかりてしまい、恋いこがれた女性に暴力を振るってしまう。
おのれの心を見透かされたような瞳に、耐えられないあまりのことだった。
その結婚はうまくいかずやがて半年余りで、男は逃亡者となって家から落ちていく。
10年近い時間が過ぎて、やくざに追われる一人の流れ者となって、姿を見せるのだが・・・

三重県で起きた小学生の事件は、加害者の親にもいたたまれない事件である。
この引きこもりの青年の「やぶからし」の種はどこで、どう根を生やしていたのか。
新聞の記事では、11歳の少年にからかわれたのが引き金になったとか・・・
若い人による事件が起きるたびに、心がえぐられる。
子を持つ親は、人を傷つけるなと教えても、いまのネット社会では、
心の中に芽生える「挫折」「嫉妬」「誹謗・中傷」「ねたみ」の種まで取ってあげることができない。
親のすすむ道もまた、いばらの道だと、考えさせられる。


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by finestable | 2015-02-19 06:46 | 一般