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Fine Stage

10.11 いのちの重さ



◆横浜線の踏切内に倒れていた男性(74)を助けようとして、
お父さんが運転する車に乗っていて、助手席から飛び出して助け出そうとした
村田奈津恵さん(40)が死亡した。今月1日のことであった。
多くのメディアで取り上げられ、ネットでも記事が顔写真入りで拡散している。

「助けなきゃ」と言って飛び出した娘に、「間に合わないからダメだ」と制した父親。
何でも線路に十字の形に横たわっていた男性の体をひきずり、
線路の間に体を移動させて命を守ったという。
なんという勇気、使命感。その勇気に感動した多くの方が踏切を訪れ、献花していた。


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74歳と40歳、生きるべきいのちの重さを推し量っても仕方ないが、
男性は骨折ですんで、意識が戻ってからもなぜそこにいたのかの説明も定かではない。
世の中は非情なことがおきてしまう。
私は運転をしないから、いつも家内の助手席なので、「もしも自分だったら・・・」
とっさに飛び出して、助けに行けるだろうか。と、家内と話し合った。
ヒキョーかもしれないが、我が子にも助けなさいとは言えない自分がいる。
尊い死、気高い心にただただ頭をたれることしかできない。
「おまえは死んだけれど、おじいさんの命は助かったよ」
父親のさりげない言葉の気高さもまた、人のありようを教えてくれた。

湊かなえの原作「往復書簡」の中から映画化された「北のカナリアたち」の中で、
病気を承知で学校の先生のご主人が生徒を助けに海に飛び込むシーンがある。
生徒は助かり、泳げなかった主人は亡くなる。
そういうことが、いつか肺気腫の自分に起こったら、
後先も考えず、同じようにできるだろうか、横浜の事故以来そういう夢を見る・・・
by finestable | 2013-10-11 06:07 | 一般