7.30 一人のホースマン その1
この人と人生の歯車が噛み合ってしまい、不思議な縁が続いている。
奥さんと子ども二人に囲まれて、365日休む間もなく生活の大半を馬と過ごしている。
彼が本音を言ってくれた。
育成場は一人で4~5頭を毎日乗らないと経営上ペイできないんですよ。
そうするとたいがい一人がその馬に乗れる時間は1時間半か、2時間が限度でしょう。
私は、一頭3時間ぐらいかかるんですよ。
馬の筋肉をほぐしていくのに1時間、ダクをふんで時計を出すようにすると自然にそうなります。
1日3頭が限度です。大きな経営は無理なんです。
それが怪我をさせないための過去の失敗が教えてくれた教訓だそうです。
毎日、朝5時過ぎに厩舎にきて馬の世話をする。
水冷もじっと自分と馬の気持ちを感じながらじっくりとホースで水をかけてあげる。
馬と人の信頼関係がどのくらい作れるか、いつもそれを気にしている馬馬鹿だ。
せめて自分の愛馬は、顔の見える人に世話をして欲しいと願う。
施設や環境だけじゃない、もうひとつ大切なこと「熱意」「情熱」「信念」。