0711 朝霧のなかで
6月から7月にかけて、ひだかの海岸には海霧が絶え間なく湧いてくる。
日本で一番早く日の出を迎える道東の根室から、15分ほど遅れて朝がやってくる。
昼夜放牧に出されていた馬達は、朝の明るさをほっとしてむかえるのだろう。
日高山脈を越えて日が昇ってくるのは1時間ほどしてからだ。
今の季節だからこそ、親子の情愛あふれる風景を見ることができる。
ここにはこういう時間がずっと過ぎてきていた。
日が昇り暖かくなると、と根っこはつかのまの眠りに落ちる。
母はずっと傍で、牧草を食んでいるのだ。