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Fine Stage

10.9 The People by KISHIN 篠山紀信展より



8日、東京競馬場の帰りに初台の東京オペラシチーで開催されている、
「篠山紀信展 写真力」によって来ました。
圧倒的なパワーを見せる幅5m×縦3mに及ぶ巨大プリントの展覧会です。
紀信氏は今まで作品を額装にして展示する展覧会が嫌で、
美術館とかには出展してしてこなかったという。
今回の写真力のプリントは、写真裁ち落としの世界。
代表作の巨大な水着の百恵ちゃんに、視線は釘づけでした。
今回の巨大プリントは、再現性の技術レベルが格段に進歩したことも感じさせる。
粒子が細やかで、モノクロの諧調もきれいに表現されておりました。
一枚のプリントが、幅1m50縦3mが基本で、横幅に合わせて3枚または4枚がつないで貼ってある。
最大のもので幅6m高さ3mぐらいのすごい迫力である。
篠山紀信の作品が好きか嫌いか、その感性の違いもあるとは思うが、
グラフィックデザイナーの目線で見ると、
紀信氏に宿るエネルギッシュさも、アラーキーが追い求める芸術性も
戦後の激動期を自分の力だけでのし上がって来た魂を感じることができる。

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読売新聞 9月25日号に掲載された「篠山紀信展 写真力」の記事から
紀信氏が寄稿した内容です。

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~写真力とは~

「写真の力がみなぎった写真。
写された方も、撮った者も、それを見る人々も、時空や虚実を超えて、
脳裏に焼き付いてしまう強烈なインパクトを秘めた写真のことです」

~どうすれば写真力のある写真が撮れますか~

「まず、被写体をリスペクトし、”上から目線”でも、下から媚びた態度でもいけません。
撮影する現場の空気を正しく読み、リラックスした雰囲気を作りましょう。
そして、自分の感性を最大限にヒートアップさせて、シャッターを押すのです」

~写真力をつけるにはどんなことをすれば良いのですか~

「良い音楽を聴く、好きな芝居を見る、ふらっと旅にでる、いい友達と付き合う、
おいしいものを食べる、なんでもいいんです。
いいものに出会ったときに敏感に反応し、シャッターを押したい、
という感性を身につけましょう」
by finestable | 2012-10-09 05:52 | 一般